こんにちは。行政書士・情報処理安全確保支援士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーです。
今回は電子定款等に付与する電子署名に関するご相談です。
Q. 無償のツールを使って電子署名できますか?
以前、「署名プラグインインストール裏技!」という記事を書きました。
ずいぶん前の記事ですが、継続的にアクセスがあって、多くの人に読んでもらっています。
PDF署名プラグインを利用すると必然的に有償のAdobe Acrobatを利用することになります。
実はこのPDF署名プラグイン、なくても電子署名できます。
4つの方法が許可されている
法務省の登記・供託オンライン申請システムの「PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について」によると、電子署名付きPDFファイルは、以下の4つが許可されています。
- 登記・供託オンライン申請システムが提供するPDF署名プラグインソフト「PDF署名プラグイン」を使用して作成した「電子署名付きPDFファイル」
- Adobe Acrobatの電子署名機能を使用して作成した「電子署名付きPDFファイル」
- Adobe Acrobat Readerの電子署名機能を使用して作成した「電子署名付きPDFファイル」
- SkyPDFの電子署名機能を使用して作成した「電子署名付きPDFファイル」
署名プラグインを使わない方法は2~4で、無償のツールを利用するのは3. の方式です。
Acrobat Readerで電子署名する
それでは手順の概要を説明します。
(その0)作業前の前提条件
以下の準備をしておきます。
- PDF形式で印影を用意する
- 電子証明書(行政書士電子証明書など)を取得しておく
- 証明書のパスワードを確認できるようにしておく
(その1)PCに電子証明書を取り込む
証明書によって手順が異なるので、それぞれの手引きなどを確認してみてください。
(その2)Acrobat Readerに電子証明書を登録する
[環境設定]メニューの「署名」の設定画面で登録してください。
(その3)印影を登録する
電子証明書の登録と同様に、[環境設定]メニューの「署名」の設定画面で登録してください。
印影はなくても電子署名できますが、あるとかっこいいです。
わたしの印影はこんな感じです。
「行政書士毛利公彦之電子署名」と書いてあります。
(その4)電子署名を実施する
署名したいPDFファイルを開いたら、「証明書」というツールを使って署名してください。
ここで証明書のパスワードが必要になります。
注意事項
この方法はファイル形式の電子証明書限定です。
マイナンバーカードを利用して電子署名する場合は、他の方法を利用します。
ご注意ください。
最後に
この方法、行政書士仲間でも結構知らない人がいます。
Adobe Acrobatは現在、価格設定がサブスクリプションだけになってしまったので、利用するなら毎月コストがかかります。
もちろん、優秀なソフトですので、他のいろいろなことに活用できますが、電子署名のためだけに利用するなら、今回の方法でコストを抑えることができます。
知っておいて損はないでしょう。
手順は概要だけをご案内しました。
もし詳しい説明が必要なら、浮いたコストの一部を使って、当事務所へご依頼ください。
詳細な手順を現役の情報処理技術者が説明いたします。
最後までお付きあいいただき、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。