こんにちは。よろず相談行政書士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回は板橋区仲宿にお住いの会田設矢さん(仮名)からのご相談です。
Q.株式会社を作りたいのだけど、費用はどのぐらい用意しておいたらいいでしょうか?
会田さんは地元で飲食店をオープンする予定です。
夢は全国展開して、おいしいものを日本中に届けること。
将来を見据えて、当初から株式会社を立ち上げ、戦略的に展開していきたいとのことです。
そのためにも必要な費用を明らかにして、計画を立てる必要があります。
大きく分けて3つの費用
株式会社設立に必要な費用は大きく分け3つあります。
- 資本金
- 法定費用
- その他の費用
これらを足した合計が、会社設立に必要な費用となります。
1. 資本金
資本金は当面の運転資金であって、すぐに使ってしまうわけではありません。
厳密には費用とはいえないのですが、必要なお金という意味で、ここに挙げておきます。
1円でも設立できますが、そんな会社は実際には多くありません。
信用を得ることが難しく、融資などで不利になることがありますので、注意が必要です。
資本金の決め方については、以前の記事(「迷ったら計算しよう!起業に優しい資本金の額とは?」)をご参照ください。
ケースバイケースですが、個人で起業するなら、だいたい100万円~300万円くらいに収まるのではないでしょうか。
次の法定費用は、その条件で算出します。
2. 法定費用
法定費用は、登録免許税と手数料等です。
株式会社の場合200,300円~になります。
電子定款と紙の定款では、4万円の差が出ます。
紙の定款 | 電子定款 | |
---|---|---|
定款認証手数料 | 50,000円 | 50,000円 |
印紙代 | 40,000円 | 0円 |
定款の謄本代 | 約2,000円(※1) | 300円保存料(※2) 謄本を請求すると一部約1,000円(※3) |
登録免許税 | 150,000円(※4) | 150,000円(※4) |
合計 | 242,000円 | 200,300円~201,300円 |
※1 用紙1枚につき250円、およその必要な枚数を8枚として、約2,000円。
※2 公証役場での電子定款保存手数料。紙の場合は無料。設立後20年間保存。
※3 謄本1通700円、書面1枚につき20円加算。
※4 登録免許税は資本金の1000分の7、15万円未満の場合は15万円。
3. その他の費用
上記以外の費用として、電子定款の作成にかかる費用、会社の印鑑の作成費用、印鑑証明書発行手数料などがあります。
電子定款作成費用
法定費用で4万円の差があるのなら、当然、「電子定款で!」となりそうです。
しかし、個人の場合はあまり現実的ではありません。
電子定款を作成するにはそのための設備投資が必要です。
- PDF変換ソフト(Adobe Acrobatなど)
- ICカードリーダライタ
- 住基カードまたはマイナンバーカード
- 電子証明書
これらの機材がそろっているのであれば、ご自身で作成するメリットは大きいです。
まだお持ちでない場合、設立時に1回しか使わないことを考えれば、専門家に作成を依頼することをお勧めします。
なお、毛利行政書士事務所では電子定款作成業務のみも承っております。
会社の印鑑の作成費用
長く使うことを考えれば、ある程度良いものを選んだほうがいいのではないかと思います。
インターネットから注文すると、2日~3日でお手元に届くので、早くてお手軽です。
例えば、遠藤憲一さんがCMをしている「ハンコヤドットコム」では、会社設立セットという商品があります。
3本セットは2万円くらい、4本セットは2万5千円くらいです。
印鑑証明書発行手数料
金額としてそれほど大きくはないですが、発起人(出資者)全員と取締役の人数分の個人の印鑑証明書が必要です。
発行手数料は自治体にもよりますが、1通300円程度です。
1人で設立する場合、発起人分と取締役分で合計2通必要となります。
最後に
以上、株式会社の設立費用について説明してきました。
株式会社の設立時に一体どのくらいの費用がかかるのか?
ご理解いただけたでしょうか?
もしわからないところがあれば、何なりとお問い合わせください。
毛利行政書士事務所では、会社設立業務はもちろん、電子定款作成業務のみでも承っております。
最後までお付きあいいただき、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。