こんにちは。よろず相談行政書士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回は板橋区新河岸にお住いの設楽立夫さん(仮名)からのご相談です。

Q.会社設立日はどう決めたらいいでしょうか?何か基準とかないですか?

株式会社の設立を計画しているという設楽さんですが、いろいろと決めることが多くて混乱してしまい、なかなか計画が前に進まないと悩んでいました。
こういうときは、目標を定めると、うまく流れるようになるものです。
そこで、会社設立日を決めてしまってはどうでしょう?っとアドバイスしてみました。

会社設立日はどうきまる?

そもそも、会社設立日は自由に決めることができるのか?
まずはそこから問題です。
会社の設立日は、法務局に設立登記を申請した日です。
郵送で提出した場合は、法務局に到着した日となります。
登記が完了した日ではないので、自分で決めることができます。

登記申請ができなければいけないので、法務局が営業している日でないといけません。
希望の日が土・日・祝日および年末年始であれば、別の日を考える必要があります。

オススメの設立日とは

設立日というのは、会社にとって大切な日です。
1年目とか10年目などの節目にはお祝いもしたいし、創立記念日を休みにしてみようとか、夢はふくらみます。
できれば覚えやすい日がいいとか、キリのいい日にしたいとか、考えだすと、それこそキリがなくなってしまいます。
会社設立年月日は登記にも掲載されるし、後から変更が利かないものです。
しっかりと検討して、あとで後悔しないように決めたいものです。

それぞれの事情もあるでしょうから、必ずこれ!という絶対的な基準はありません。
六曜、末広がり、税金の観点から、こんな風に選んでみてはいかがでしょうか?

六曜で縁起をかつぐ!

日本人にはなじみが深いのではないでしょうか?
「大いに安し」の「大安吉日」!
これにつきます。
とはいえ、何らかの事情で大安でない日を選択しなければならないこともあります。

少し詳しく見てみましょう。
六曜はその名の通り、6つの種類があります。
大安、赤口、先勝、友引、先負、仏滅の6種類です。
「大きな赤ちゃん勝てば友達、負ければ仏」で覚えちゃってください。

ざっとまとめてみます。
会社設立はやっぱりお祝いごとに近いので、結婚式なんかの慶事で縁起のいい順に並べてみました。

六曜 よみかた 概要
1 大安 たいあん 言わずと知れた大安吉日。「大いに安し」という意味で、「万事吉で成功する日」とされています。登記申請だけでなく、車の納車日、内閣組閣の日なんかもこの日を選んでされたりします。
2 友引 ともびき もとは「共引」で、「勝負事が全部引き分けになる日」という意味です。慶事だと、「幸せのおすそ分け」と解釈されたりします。朝は吉、昼は凶、夕は大吉といって、昼前後11時から13時の間は「凶」とされているので注意が必要です。
3 先勝 せんしょう
さきがち
「先んずれば即ち勝つ」の意味で、急ぐことが吉とされています。午前中に物事を行うのが吉、14時から18時までは凶です。午前中に開始すれば、午後に差しかかってしまってもOKです。
4 先負 せんぷ
さきまけ
「先んずれば即ち負ける」の意味で、午後に物事を行うのが吉とされています。午前中は凶です。何事も控えめにして平静を保つべき日で、勝負事や急用は避けるべき日です。
5 赤口 しゃっこう
しゃっく
慶事には最も悪い大凶です。11時から13時の間のいわゆる「牛の刻」だけは吉ですが、それ以外は凶です。赤という字がつくので、火や刃物には注意が必要です。
6 仏滅 ぶつめつ 慶事には最も悪い大凶です。11時から13時の間のいわゆる「牛の刻」だけは吉ですが、それ以外は凶です。赤という字がつくので、火や刃物には注意が必要です。

わたしは個人的に仏滅は吉凶に関係ない説を支持しています。
もともと「物」なら「仏」関係ないじゃん、て話です。
だいたい、六曜は仏教とは関係がないですし。
そんなわけで、赤口と仏滅は同順位としました。
でもまあ、大安、友引、先勝から選んだらいいと思います。
申請手続のときは、凶の時間帯を避けるのをお忘れなく。

「八」を絡めて末広がり!

「八」は日本人が好む数字で、最高位を占める数字です。
古代日本では高貴な人が好んで使う聖数で、呪力があると信じられていました。
また、裾が開いたイメージから、「末広がり」といって喜ばれていました。
さらに、「八」は数字で「8」で、横にすると「∞」(無限大)になり、宇宙の無限の広がりを表したりします。
中国でも非常に重宝されていて、8の並んだ車のナンバーは信じられないくらい高値で売買されています。
北京オリンピックが、2008年の8月8日、午後8時8分に開会したというのは記憶に新しいところでしょう。
とにかくまあ、おめでたい数字ということです。

ただ、西洋では8は不吉な数字と言われることもあります。
悪魔の化身とよばれるタコが八本足だからというのが理由の一つです。
とはいえ、ここは日本ですし、八のつく日にちを会社設立日に選ぶのもいいと思います。

税金をちょっとお得に!

会社を設立すると、赤字であっても法人住民税の均等割という税金がかかるようになります。
事務所を有していた期間が1年に満たない場合、「年額×事務所を有していた月数÷12」の算式で算出します。
この場合、1か月に満たない月は切り捨てられます。
そうです、1か月に1日でも満たなければ、10日間でも20日間でも切り捨てられるのです。
つまり、会社設立の日を1日ではなく2日以降にすると、その年の税金が少しだけ節約できるのです。
例えば、資本金100万円で決算期が12月の会社の場合、5,800円の節税ができます。

最後に

いかがでしたか?
会社設立日を決める参考になったでしょうか。
設立後も、いろいろな書類で設立日を書く機会があります。
できれば思い入れがある日がいいですよね。

最後までお付きあいいただき、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。