こんにちは。よろず相談行政書士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回は板橋区小茂根にお住いの喜社場百合子さん(仮名)からのご相談です。

Q.合同会社を設立予定です。用意しておくべき費用はどのくらいでしょうか?

時を同じくして同じような質問が舞い込んできました。
今回は合同会社の設立費用について説明します。
現在複数のアパートを経営している、喜社場さん。
節税を目的として財産管理会社設立を計画しています。
法人格があればよいというのであれば、合同会社はうってつけです。
事前にどのくらいの費用を用意しておいたらいいのでしょうか?

どんな会社が合同会社に適しているのかは「こんな時は迷わず選択!合同会社に適した会社とは?」をご参照ください。

3種類の費用が必要

合同会社設立に必要な費用は、株式会社の場合と同様、大きく分け3つあります。

  1. 資本金
  2. 法定費用
  3. その他の費用

これらを足した合計が、合同会社設立に必要な費用となります。
2番目の法定費用の額が株式会社と大きく異なります。

株式会社の設立費用については「必要なのはこれだけ!株式会社の設立費用!」をご参照ください。

1. 資本金

資本金は当面の運転資金であって、すぐに使ってしまうわけではありません。
厳密には費用とはいえないのですが、必要なお金という意味で、ここに挙げておきます。
制度上は、1円でも設立可能ですが、実際には1円で起業する方は多くありません。
信用を得ることが難しく、融資などで不利になることがあるからです。

しかし、今回は法人格の取得が最優先事項で、銀行や取引先からの信用を得る必要があるわけではありません。
このため、1円起業でも差し支えないのではないかと思います。
とはいえ、アパート経営にも費用はかかります。
設立前にしっかりと計画を立てて経費を試算しておくことは、今後必ず役に立ちます。
面倒くさがらず、適正な額を算出してください。

資本金の決め方については「迷ったら計算しよう!起業に優しい資本金の額とは?」をご参照ください。

2. 法定費用

法定費用は、登録免許税と手数料等です。
合同会社の場合60,000円~になります。
株式会社では必要だった、定款の認証が不要であるため、その分の金額が小さくなります。
電子定款では印紙代が不要なため、紙の定款と比較すると4万円の差が出ます。

紙の定款 電子定款
印紙代 40,000円 0円
登録免許税 60,000円(※1) 60,000円(※1)
合計 100,000円 60,000円

※1 登録免許税は資本金の1000分の7、6万円未満の場合は6万円。

3. その他の費用

上記以外の費用として、電子定款の作成にかかる費用、会社の印鑑の作成費用、印鑑証明書発行手数料などがあります。

電子定款作成費用

法定費用で4万円の差があるのなら、当然、「電子定款で!」となりそうです。
しかし、個人の場合はあまり現実的ではありません。
電子定款を作成するにはそのための設備投資が必要です。

  • PDF変換ソフト(Adobe Acrobatなど)
  • ICカードリーダライタ
  • 住基カードまたはマイナンバーカード
  • 電子証明書

これらの機材がそろっているのであれば、ご自身で作成するメリットは大きいです。
まだお持ちでない場合、設立時に1回しか使わないことを考えれば、専門家に作成を依頼することをお勧めします。
なお、毛利行政書士事務所では電子定款作成業務のみも承っております

会社の印鑑の作成費用

長く使うことを考えれば、ある程度良いものを選んだほうがいいのではないかと思います。
インターネットから注文すると、2日~3日でお手元に届くので、早くてお手軽です。
例えば、遠藤憲一さんがCMをしている、日本最大級のはんこ総合サイト「ハンコヤドットコム」では、会社設立セットという商品があります。
3本セットは2万円くらい、4本セットは2万5千円くらいです。

印鑑証明書発行手数料

設立登記の申請と同時に申請する「法人の印鑑(代表者印)」登録のために、代表社員になる方の個人の印鑑証明書が必要です。
1通300円程度です。

最後に

以上、合同会社の設立費用について説明してきました。
合同会社の設立にどのくらいの費用が必要なのか?
ご理解いただけたでしょうか?
わからないことがありましたら、何なりとお問い合わせください

合同会社は、大幅な定款自治が認められており、内部規律の設計を柔軟に行うことができます。
しかしそれゆえ、その設計がとても難しいのです。
合同会社の利点を最大限に享受したい場合は、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
毛利行政書士事務所では、会社設立業務はもちろん、電子定款作成業務のみも承っております

最後までお付きあいいただき、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。

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