【日本版DBS】保育施設向け!こども性暴力防止法で義務化される情報管理措置の具体的対応方法とは?
こんにちは。行政書士・情報処理安全確保支援士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回はこども性暴力防止法の認定申請って自分でもできるよね?というご相談です。
Q. 保育士です。うちの施設はこども性暴力防止法の対象なのでしょうか?義務と任意があるときいたのですが?
保育施設を運営する事業者のみなさまにとって、こども性暴力防止法は「対応するかどうか」を選べる話ではありません。
これまでの記事で取り上げてきた学習塾やスポーツクラブは「認定対象事業者」として対応が任意でしたが、認可保育所・認定こども園などの保育施設は「義務対象事業者」であり、法律で定める措置を必ず実施しなければなりません。
この記事では、保育施設が施行日までに対応すべきこと、特に情報管理措置で注意すべきポイントを、行政書士かつ情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の立場から解説します。
保育施設は「義務対象事業者」
こども性暴力防止法における「学校設置者等」(義務対象事業者)には、以下の保育関連施設が含まれます。
- 認可保育所
- 認定こども園
- 児童福祉施設全般(乳児院、児童養護施設等)
- 指定障害児通所支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス等)
これらの施設は、認定を受けるかどうかを選ぶ立場にはなく、施行日(2026年12月25日)から直ちに法律で定める措置を実施できる状態にしておく必要があります。
任意対応である学習塾やスポーツクラブとは異なり、対応の遅れがそのまま法律違反に直結するリスクがある点を、まず認識しておく必要があります。
学習塾などの認定対象事業者の手続きについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
施行日から求められる4つの措置
保育施設に求められる措置は、以下の4つです。
1. 安全確保措置
こどもの被害を早期に把握するための面談・アンケートの実施、相談体制の整備です。
保育施設では、こども自身が言葉で被害を伝えることが難しい年齢層も多いため、行動の変化に気づく仕組みや、保護者からの相談を受け付ける体制の整備が特に重要です。
2. 犯罪事実確認
新規採用時・配置転換時に、従事者の性犯罪前科の有無を確認する手続きです。
保育士だけでなく、こどもと継続的に接する可能性のある職種(調理員、送迎担当者等)についても、業務内容に応じて対象となるかを個別に判断する必要があります。
3. 防止措置
性暴力のおそれがあると判断された従事者について、配置転換等の対応を行うことです。
4. 情報管理措置
犯罪事実確認書などの機微な情報を適正に管理するための措置です。
この記事で中心的に解説する内容です。
保育施設が情報管理措置で特に注意すべきポイント
ポイント1:パート・非常勤保育士のアクセス権限
保育施設では、正規職員に加えて、パート・非常勤の保育士、フリーの応援スタッフなど、雇用形態が多様であることが特徴です。
犯罪事実確認書の情報にアクセスできる人は、園長・主任など、必要最小限に絞ることが原則です。
現場の保育士全員が確認結果を閲覧できる状態は避け、管理者層のみがアクセスできる体制を設計してください。
ポイント2:実習生・ボランティアの扱い
保育士養成校からの実習生や、地域のボランティアがこどもと接する機会がある施設では、実習生・ボランティアが「従事者」に該当するかどうかの判断が必要です。
継続的にこどもと接する場合は対象となる可能性が高いため、事前に施設として方針を整理しておきましょう。
ポイント3:採用プロセスへの組み込み
新規採用時には、募集要項・求人票に特定性犯罪前科がないことを条件として明示し、採用内定後には誓約書等での確認、そして犯罪事実確認の対象となることを採用過程で候補者に伝達することが求められます。
内定者の場合、試用期間中の場合、すでに勤務している現職者の場合とで、それぞれ対応方法が異なるため、施設として統一されたフローを整備しておく必要があります。
ポイント4:職員の入れ替わりへの対応
保育業界は、他業界と比較して職員の入れ替わりが比較的多い傾向にあります。
退職・異動が決まった時点で速やかにアクセス権限を削除するルールを、規程だけでなく実務フローとして定着させることが重要です。
「退職手続きのチェックリストに、システムアクセス権限の削除を必ず含める」といった形で、業務フローに組み込むことが有効です。
ポイント5:紙の書類が多い施設への対応
保育施設では、システム化が進んでいない紙媒体中心の管理を行っている場合もあります。
犯罪事実確認書を紙で保管する場合は、施錠可能なキャビネットでの保管、閲覧者の記録、不要になった書類の復元不可能な廃棄方法(シュレッダー等)を、規程に具体的に定めてください。
委託・指定管理を行っている場合の役割分担
自治体が設置し、民間事業者が運営を受託・指定管理している保育施設も多く存在します。
このような場合、設置者(自治体)と運営者(受託・指定管理事業者)の間で、情報管理措置に関する役割分担を明確にしておく必要があります。
こども性暴力防止法施行ガイドラインには役割分担の参考例が示されています。
委託契約や指定管理協定の内容に即して、「情報管理規程の作成・提出は誰が行うか」「犯罪事実確認記録の保管責任者は誰か」といった点を、事前に自治体側と協議・整理しておきましょう。
研修動画・教材の活用
こども家庭庁は、情報管理措置に関する研修動画・教材を作成し、公開しています。
情報管理を行う責任者・担当者に対して、この教材を活用した研修を実施することが求められています。
保育施設では、日々の保育業務に追われる中で研修の時間を確保することが難しい場合もあります。
例えば、以下のような工夫で研修を実施することが可能です。
- 職員会議の時間の一部を活用する
- 動画教材を分割して、複数回に分けて視聴する
- 研修後に簡単な理解度チェックを行い、記録として残す
研修を実施した記録(実施日、参加者、内容)を残しておくことも、後の運用において重要です。
よくある質問
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認可外保育施設も義務対象になりますか?
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認可外保育施設は、認可保育所とは異なり「認定対象事業者」に該当する場合があります。
個別の施設形態によって判断が異なるため、専門家への確認が大変有効です。当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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送迎バスの運転手も犯罪事実確認の対象になりますか?
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業務内容によって、こどもに継続的に接する可能性がある職種は対象となる場合があります。
送迎業務の実態(こどもとの接触の頻度・態様)に応じて個別に判断する必要があります。
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小規模保育施設でも同じ対応が必要ですか?
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施設の規模にかかわらず、義務対象事業者に該当する場合は同様の対応が必要です。
ただし、取扱者の人数が少ない小規模施設の場合、情報管理規程のひな型選択(別紙8〜10)がよりシンプルになる場合があります。情報管理規定の作り方について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
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すでに運用している就業規則との整合性はどう取ればいいですか?
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認可外保育施設は、認可保育所とは異なり「認定対象事業者」に該当する場合があります。
個別の施設形態によって判断が異なるため、専門家へ確認してみるといいでしょう。当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
まとめ
保育施設はこども性暴力防止法の義務対象事業者であり、対応の遅れがそのまま法律違反のリスクにつながります。
- 認可保育所・認定こども園等は義務対象、対応は必須
- パート・非常勤保育士、実習生・ボランティアのアクセス権限管理が重要
- 委託・指定管理の場合は自治体との役割分担の整理が必要
- 職員の入れ替わりへの対応(アクセス権限の即時削除)を業務フローに組み込む
- こども家庭庁の研修教材を活用した職員研修の実施が必要
「施行までに何を整備すればいいか分からない」「委託元の自治体とどう役割分担すればいいのだろうか?」という保育施設の運営者のみなさま、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
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