【日本版DBS】こども性暴力防止法の情報漏えい対応フローとは?罰則と対策を解説
こんにちは。行政書士・情報処理安全確保支援士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回はこども性暴力防止法の情報漏えいに関するご相談です。
Q. 情報漏えいをするとどのような罰則が待っているのでしょうか?どんな行為が対象ですか?具体的な対策を教えてください!
こども性暴力防止法で最も見落とされがちなリスクが、「情報漏えい」への対応です。
犯罪事実確認書には、従事者の性犯罪前科という極めて機微な個人情報が記載されています。
この情報が不適切に扱われ漏えいした場合、事業者には重い罰則が科される可能性があります。
「うちはシステムで管理しているから大丈夫」と考えている事業者ほど、実は見落としがちなリスクがあります。
この記事では、情報漏えいとは具体的に何を指すのか、罰則の内容、そして対応フローの整備方法を、行政書士かつ情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の立場から解説します。
「情報漏えい」とは何を指すのか?
情報漏えいと聞くと、「サイバー攻撃によるデータ流出」のような大規模な事故をイメージするかもしれません。
しかし、こども性暴力防止法における情報漏えいは、もっと身近な場面でも発生します。
該当する可能性がある行為の例
- システム画面をスマートフォンでスクリーンショットし、個人のスマホに保存する
- 犯罪事実確認書の内容を、口頭で権限のない同僚に話す
- 紙の確認書を、施錠されていない場所に放置する
- 退職したスタッフが、退職後もシステムにアクセスできる状態が続いている
- 確認書をコピーして、複数の場所に保管している
- メールやチャットツールで、確認書の内容を添付・転送する
- 廃棄すべき記録を、シュレッダーにかけずにそのままゴミ箱に捨てる
これらはすべて「不適正な管理」「漏えい」とみなされる可能性がある行為です。
悪意がなくても、規程に沿った運用がされていなければ、法律違反となるリスクがあります。
罰則の内容
こども性暴力防止法では、情報管理措置に違反した場合の罰則が定められています。
【秘密保持義務違反】
正当な理由なく、業務上知り得た犯罪事実確認記録等に関する秘密を漏らした場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
この罰則は、情報を取り扱う個人(担当者)に対してだけでなく、事業者としての管理責任も問われる可能性があります。
「担当者個人の問題」で済まされるものではなく、事業者全体の管理体制が問われます。
なぜ情報漏えいが起きるのか?
情報漏えいの多くは、悪意のある行為ではなく、「何が漏えいに該当するか分かっていない」ことが原因で発生します。
- 「社内の別部署の人になら話してもいい」と思い込んでいる
- 「システムの画面を撮影するだけなら問題ない」と考えている
- 「退職者のアカウントを削除し忘れていた」ことに気づいていない
- 「シュレッダーにかけるのが面倒で、そのままファイルに残していた」
これらは、従業員への周知・研修が不十分であることが根本的な原因です。
規程を作成するだけでなく、従業員一人ひとりが「何が漏えいに該当するか」を正しく理解している状態を作ることが重要です。
情報漏えい対応フローの整備方法
万が一、情報漏えいが発生した場合に備えて、事前に対応フローを整備しておく必要があります。
ステップ1:発見・報告ルートの明確化
漏えいに気づいた従業員が、誰に、どのような方法で報告すればよいかを明確にします。
「発見したらすぐに管理責任者に報告する」というルールを、規程と研修の両方で周知します。
ステップ2:初動対応の手順
漏えいの疑いが発生した場合、まず状況を確認し、被害の拡大を防ぐための初動対応(アクセス遮断、該当データの削除依頼など)を行います。
ステップ3:事実確認・記録
いつ、誰が、どのような情報を、どのような経緯で漏えいさせたのかを記録します。
この記録は、後述するこども家庭庁への報告の際に必要になります。
ステップ4:こども家庭庁への報告
情報漏えい等が発生した場合、速やかにこども家庭庁に報告する義務があります。
報告の様式・方法については、こども性暴力防止法施行ガイドラインに定められています。
ステップ5:再発防止策の検討・実施
なぜ漏えいが発生したのかを分析し、規程の見直し・研修の強化・アクセス権限の再設計など、再発防止策を実施します。
情報処理安全確保支援士の視点から見た予防策
情報漏えいは「発生してから対応する」よりも、「発生させない仕組みを作る」ことが重要です。
情報処理安全確保支援士の視点から、特に効果的な予防策を紹介します。
アクセス権限の最小化
「知る必要がある人だけがアクセスできる」という最小権限の原則に基づき、システム・紙媒体双方のアクセス権限を設計します。
全スタッフが閲覧できる状態は避けるべきです。
退職者のアクセス権限の即時削除
退職・契約終了が決まった時点で、システムのアクセス権限を削除するタイミングをあらかじめ規程に定めておきます。
「退職手続きの一環として必ず実施する」フローに組み込むことが有効です。
物理的なセキュリティ対策
紙媒体を扱う場合、施錠可能なキャビネットでの保管、鍵の管理者の限定、キャビネットへのアクセスログの記録などを検討します。
定期的な棚卸し
誰が、どの情報に、どの程度アクセスできる状態になっているかを、定期的に棚卸しし、不要な権限が残っていないかを確認します。
従業員教育の徹底
規程を作るだけでなく、「具体的にどのような行為が漏えいに該当するか」を、実例を交えて研修することが最も効果的な予防策です。
よくある質問
-
うっかりミスによる漏えいでも罰則の対象になりますか?
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故意でなくても、管理体制に不備があったと判断されれば、事業者としての責任が問われる可能性があります。
悪意の有無にかかわらず、予防策の整備が重要です。
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漏えいが発生した場合、必ず公表しなければなりませんか?
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こども家庭庁への報告義務はありますが、一般への公表義務については、こども性暴力防止法施行ガイドラインの内容を確認し、個別の状況に応じて判断する必要があります。
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情報漏えい保険のようなものはありますか?
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情報漏えいに関する損害賠償責任保険は、一般の企業向けにも存在します。
加入を検討する場合は、保険会社にご相談ください。
まとめ
こども性暴力防止法における情報漏えいは、悪意のない日常的な行為の積み重ねで発生することが多く、事業者の管理体制が厳しく問われます。
- 「スクリーンショット」「口頭での共有」「退職者のアクセス放置」なども漏えいに該当しうる
- 秘密保持義務違反には1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性がある
- 報告ルート・初動対応・再発防止策までを含めた対応フローの事前整備が重要
- アクセス権限の最小化・定期的な棚卸しなど、情報セキュリティの専門知識に基づく予防策が効果的
「情報漏えい対応フローをどう作ればいいか分からない」「今の管理体制で十分か不安」という事業者のみなさま、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
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