【日本版DBS】専門家なしで対応するとどうなる?情報管理措置の見落としがちな5つのリスク

こんにちは。行政書士・情報処理安全確保支援士の毛利です。
日頃のちょっとした悩みに行政書士がお答えする、教えてもーりーのコーナーです。
今回は、情報管理措置を専門家なしで対応した場合に直面するリスクについてのお話です。

自分たちで対応できちゃう気がするけれど・・・

「情報管理規程のひな型は公開されているし、自分たちで対応できるんじゃないの?」

こう考える事業者様は少なくありません。
実際、規程のひな型自体はこども家庭庁のウェブサイトから無料でダウンロードできます。
書式を埋めるだけであれば、専門家に依頼しなくても対応は可能です。

しかし、「ひな型を埋めて提出できる」ことと、「情報管理措置が適切に実施できている」ことは、別の話です。
この記事では、専門家を交えずに自力対応した場合に見落としがちなリスクを、行政書士かつ情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の立場から整理します。

リスク1:ひな型と実態が乖離したまま提出してしまう

情報管理規程のひな型は3種類(ひな型①・②・③)あり、「こまもろうシステムの情報を閲覧する責任者が一人なのか複数名なのか」、「システム以外で記録・保存を行うか否か」によって、選ぶべきものが異なります。

自力で対応する場合、「とりあえず一番シンプルなひな型①を使っておこう」と、実態を十分に検討せずに選んでしまうケースが見られます。
しかし、実際には複数の担当者が閲覧していたり、紙の書類も併用しているのに、責任者一人・記録保存なしを前提としたひな型①を提出してしまうと、規程と実態が乖離した状態になります。

この乖離は、平時には表面化しません。
しかし、万が一漏えいが発生した際に、「規程通りに運用されていなかった」と判断される可能性があります。
これが事業者としての管理責任が問われるリスクにつながります。

リスク2:アクセス権限の設計が甘くなる

規程のひな型には「取扱者」を記載する欄がありますが、「誰が実際にどこまでアクセスできるか?」という具体的な設計は、ひな型を埋めるだけでは完成しません。

自力で対応する場合、以下のような状態になりがちです。

  • 「担当者」とだけ記載し、具体的に誰が該当するか曖昧なまま
  • 現場のスタッフ全員がシステムにアクセスできる状態を放置
  • 退職者のアクセス権限が削除されないまま残っている

こうした状態は、規程上は「対応済み」に見えても、実際の情報セキュリティとしては不十分です。
「誰が、どこまでアクセスできるか?」を必要最小限に設計することは、情報セキュリティの専門知識が求められる領域であり、法律の条文を読むだけでは気づきにくいポイントです。

アクセス権限の設計については、こちらで詳しく解説しています。

リスク3:継続的な見直しのフェーズが抜け落ちる

これは以前の記事でも触れましたが、情報管理措置は規程の作成・提出で完了するものではありません。
取扱状況を定期的に把握し、必要に応じて規程を見直すところまでを含めて、情報管理措置とされています。

こども性暴力防止法施行ガイドラインでは、この取扱状況の把握・見直しについて、情報処理安全確保支援士等のセキュリティ資格を保有する者が実施することが標準的な対応として位置づけられています。
自力対応の場合、規程を提出した時点で「対応完了」と考えてしまい、このフェーズがそのまま抜け落ちてしまうケースが多く見られます。

情報管理措置がどこまでを対象としているのか、こちらで詳しく解説しています。をご参照ください。

リスク4:漏えい対応フローが「あるだけ」で機能しない

規程に「漏えい等が発生した場合は速やかに報告する」という一文を入れることは簡単にできます。
しかし、実際にインシデントが発生した際、以下の事項が明確になっていなければ、現場は機能しません。

  • 誰が最初に気づき、誰に報告するのか?
  • 報告を受けた責任者は、何を確認し、どう対応するのか?
  • こども家庭庁への報告は、いつ、どのように行うのか?
  • 被害拡大を防ぐための初動対応は何をすればいいのか?

「文言としてのルール」と「実際に機能するフロー」は別物です。
自力対応で作成した規程は、ルールを規定しただけで実際には機能しないものになってしまう傾向があります。

リスク5:従業員研修が形だけになる

情報管理措置には、従事者への秘密保持義務の周知が含まれます。
こども家庭庁は研修動画・教材を公開していますが、これをそのまま視聴させるだけでは、「何が自施設の業務において漏えいに該当するか?」まで従業員が理解できないことがあります。

秘密保持義務違反には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則が定められています。
この罰則は、規程の存在を知らなかった従業員個人にも当然に及ぶ可能性があります。
研修が形だけのものになってしまうと、この罰則リスクを従業員自身が抱えることになりかねません。

「自力対応」が向いているケースと、向いていないケース

すべての事業者が専門家に依頼すべき、というわけではありません。
以下のような判断基準で考えてみてください。

自力対応でも比較的対応しやすいケース

  • 事業規模が小さく、取扱者・拠点が極めて限定的
  • すでに社内に情報セキュリティの知識を持つ人材がいる
  • 紙・システムいずれか一方のみで完結する、シンプルな管理体制

専門家への相談を強くおすすめするケース

  • 複数拠点・フランチャイズを展開している
  • パート・アルバイト・業務委託など、雇用形態が多様
  • 紙・システム・その他の電子媒体を併用している
  • 委託・指定管理を受けており、設置者側との役割分担が必要
  • 「規程を作った後、何をすればいいか分からない」状態にある

リスクを避けるために、今からできること

すでに自力で規程を作成・提出済みの場合でも、以下を確認することでリスクを軽減できます。

  • 選択したひな型(ひな型①・②・③)が、現在の実態と合っているかを再度確認する
  • アクセス権限が必要最小限の人だけに絞られているかを確認する
  • 漏えい発生時の報告ルートが、具体的に機能する形で整理されているかを確認する
  • 従業員が「何が漏えいに該当するか?」を具体的に理解しているかを確認する
  • 定期的な取扱状況の把握・見直しの仕組みがあるかを確認する

一つでも「できていない」項目があれば、専門家によるチェックを受けることを検討してください。

専門家に相談した場合の費用感などについては、こちらで詳しく解説しています。

まとめ

情報管理措置は、ひな型を埋めて提出するだけでは十分ではありません。

  • ひな型と実態の乖離は、平時には見えないが、漏えい発生時に大きなリスクとなる
  • アクセス権限の設計・漏えい対応フローの実効性は、情報セキュリティの専門知識が必要
  • 規程の提出はスタート地点にすぎず、継続的な見直しまでが情報管理措置に含まれる
  • 従業員研修が形だけになると、従業員個人が罰則リスクを抱える可能性がある

すでに自力で対応を進めている場合でも、今からチェックを受けることは十分に意味があります。
「今の対応で大丈夫か、一度確認してほしい」という事業者のみなさま、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください!

初回無料相談をご利用ください。03-6903-0534受付時間 10:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

お問い合わせはこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA